大学院生活いちにちめ

大学院での勉強や自分の研究について発信できたらいいなあと思っています。専門は言語学(生成文法理論)で主に子どもの言語習得について研究しています。4月からM1

お茶の水女子大学大学院合格体験記1、はじめに

こんにちは。

4月からお茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科(博士前期課程)比較社会文化学専攻英語圏・仏語圏言語文化コース英語圏専修(長い)1年生になります、もっちーと申します。

ちなみに今年は英語圏専修(以下英文)所属の1年生は2人しかいないので、先生方や研究室の人に見られたらほぼ身バレ確定ブログです。

 

このブログでは大学院でどんなことをしているのか、研究活動を通じてどんなことを考えているのか、といったことをゆるく発信していけたらいいなと思っています。

文章に落とし込むのは私にとって、かなりエネルギーがいる作業なので、なかなか更新しない未来も見えますがよろしくお願いします。

 

早速タイトルにあるように、まず最初は自分の大学院受験のときの勉強法や使った教材を紹介する「合格体験記」を書こうと思います。

大学進学率が高い高校とかだと、大学に合格した先輩のおすすめの勉強法や受験期の過ごし方を紹介する冊子が配られることも多いんじゃないでしょうか。

ただ、大学受験についてはかなり情報を得やすいですが、大学院の文系分野で、しかもお茶大のように小さな大学の大学院だとなかなか情報も手に入りにくいんじゃないかな、と思い書いてみることにしました。

とはいえ、書ける内容は自分のコースのことだけになってしまうので、その点はご容赦ください。

 

今回の「はじめに」では具体的な勉強法というよりも、なぜ大学院進学をしたのかや私自身のバックグラウンドについて触れようと思います。(なのですでに進学を決めている人や勉強法を知りたい人は読まなくても大丈夫です。)

 

 

研究分野と学部のときの話

私が研究している分野は言語学、さらに細かく言うと生成文法理論をベースとした子どもの言語習得です。

専門についての話はまた別に記事を書くつもりですが、簡単に言うと「人間は生まれつき言葉を話せるような仕組みを持っており、その仕組みの一つとして、すべての人間は共通の文法知識を生得的に持っている」という立場に立って研究をしています。

特に、子どもの言語習得では実験をしたり調査をすることもあるので、文系でありつつ1/3くらいは理系だと勝手に思っています。

 

基礎研究的な学問の性質上、学部2~3年生では基礎知識のインプットが中心となり、4年生の卒論でようやく自分のテーマに基づいて研究らしきもの(アウトプット)が始まりました。

私は学部の所属もお茶の水女子大学(文教育学部言語文化学科)だったので、お茶大のカリキュラムに沿っていくと、

1年→学部共通科目、教養科目中心

2年→コース決定、講義形式のインプット中心

3年前期→演習科目中心(とはいえ論文を読んでそれについてレポートするのが中心なので、自分自身で実験案やテーマ案を出したりディスカッションする機会はほぼなし)

3年後期→ミニ卒論(10ページくらい)を書く段階で卒論のテーマについてざっくり検討

4年→卒論

といった感じでした。

 

 

なぜ「子どもの言語習得」に興味を持ったのか。

これについては、そもそも「なぜ英文コース(学部の方)にしたのか」というところまでさかのぼります。

高校時代はわりと5教科オールマイティ人間だったので、苦手な科目もあまりない分、特別秀でている科目もありませんでした。

ただ、なんとなく「英語が好きかも?」という思いがあり、大学では英語を勉強しようかな~と本当に今考えるとなんとな~く考えていました。

英語が好きかも、と思ったのは、一見他言語で書かれていて何を言っているのかわからない文章も、ちゃんと読むことができれば共感したり、理解したり、そこから学んだりできるのがおもしろいし楽しい!と思っていたからです。

そんななんとなくな気持ちでお茶大の英文コースに行こうと決めました。

 

ただ、入学してから気がついたのは、自分はそこまで英語を使うことに対して積極的でないなということです。

別に嫌いではないけれど、短期でも留学したいという思いもないし、国際交流にもあまり興味はないし、ESSに入ろうというほどでもないし…。

「話せたらいいな」とは思うけれど、特別行動に移すほどの熱量ではありませんでした。

 

ただ、英文コースで言語学の授業を受けたときには「なにこれおもしろい!」とわくわくしました。

思い返してみれば、高校のときの英語の授業で先生が話してくれたリンキング(隣り合う英単語どうしの発音がくっついて別の音になること)の話は今でも覚えていて、私の「英語が好き」は英語という「言語」に興味を持っていたのかもしれません。

 

そういった経緯で語学のコースに進むことを決め、そのなかでさて卒論は何で書こうか、と考えていたのが3年の後期だったように思います。

 お茶大の英文コースでは語学は形態論・統語論(語、文の構造)、意味論・語用論(文や会話の含意や言外の意味)、言語習得(子どもの第一言語習得)、英語教育に分かれているのですが、統語論か言語習得かで迷っていました。

 

ただ、言語習得では実際に実験をして、統語論や意味論に基づいた仮説を証明できるのが個人的には魅力的でした。

統語論はある仮説があったとして、それを支える根拠となる文の文法性や許容度は基本的には論文の著者やその周囲の人間の主観にゆだねられます。

一方、言語習得では、同じ仮説があったとしても、それが子どもの発話というより客観性の高いデータによって裏打ちされるので、そこがとてもおもしろいなと思いました。

ということで、私は言語習得で卒論を書こうと決めました。

 

 

なぜ大学院に進学するのか。

この問いに対する答えは、端的に言ってしまえば「もう少し勉強してみたかったから」です。

学部の話で書いたように、基礎知識のインプットをもとに、自分の考えを組み立てる段階はほぼ卒論だけでした。

最初は就活も少しだけしていましたが、自分で論理や考えを組み立てるのっておもしろいかも、、、?と思い始めた矢先に就職してしまうのは、少しもったいない気がしていました。

そんなときに指導教員の先生から大学院を進められ、就活をしていてもなんだかしっくりこず、むしろ待ち時間には論文を読んでいた方が心が落ち着くくらいで、という状況も重なり、大学院に進学することを決めました。

 

だから、「もうちょっと勉強したいな~」という気持ちで進学した私は、もしかするとほかの大学院生に比べ、知識も、専門分野に関わっている年月も、研究への情熱も、まだまだな部分だらけかもしれません。

(院生というと自分の専門分野に対して並々ならぬ知識と愛情と熱意があって進学しているイメージがあるので笑)

 

でも、2年間という短い時間のなかで、悔いの残らないような研究生活を送りたいと思っています。

「悔いが残らないよう」と言いつつも、どんなことをしたいか、何をゴールに据えるのか、実はまだまだぼんやりとしかしていません。

なので、悔いが残らないためには何をすればいいのか、どこを目指していくのか、は研究生活を走りながら考えたいと思います。笑

 

最後に卒業するときに自信を持って、このブログを読み返せるといいな~