プーさんの「ほんとう」にふれるワークショップに参加しました!
こんにちは。お久しぶりです。
7月も半分を過ぎました。期末の時期と初の学会発表が重なってしまい、なにかとバタバタしている今日この頃です。
もう大学院生活も1/4終わってしまったというわけですが、このペースでいくと修士で特になんもできないまま終わってしまうぞ、、、と最近は焦りを感じています。
とはいえまずは目の前の課題と学会の準備をがんばります。
ところで、今日は6/16(日)に開催された、「プーさんの『ほんとう』にふれるワークショップ」に参加したのでその感想を書こうと思います!(もう1か月も経ってしまっていたのか。。)
このワークショップは一橋大学の博士課程でイギリス児童文学を専門に研究しているさっちゃんこと、磯部里美さん主催で行われました。
周りに院生の友達・先輩は少ないんですが、さっちゃんは研究もしつつ、それも発信している本当に尊敬できる院生仲間です、、、!
プーさんのこと、物語を読むということだけでなく、自分の研究活動やその発信についてもだくさん考えることができた時間になりました。
ワークショップの話
プーさんといえば、ディズニーアニメの「くまのプーさん」が有名なんじゃないでしょうか?
このディズニーのプーさんのもとになったのは、A.A.ミルン原作のイギリス児童文学「クマのプーさん」という作品です。
プーさんのワークショップに参加することにしてみたものの、私は原作のプーさんにはまったく触れたことがなく、プーさんといえばディズニーのイメージしかありませんでした。
「参加者みんなプーさんガチ勢だったらどうしよう。。。」という気持ちでワークショップに参加しましたが、私のようにあまりプーさんに詳しくない方も、プーさんの絵本や原作に思い入れがある方も、いろいろな方が参加していて、だからこそいろいろな感想やエピソード、思い出が飛び交っていてとても楽しかったです。
今回のワークショップでは「クマのプーさん」の冒頭と、その続編である「プー横丁にたった家」より「プーがあたらしい遊戯を発明して、イーヨーが仲間に入るお話」の2篇を読んで、それぞれに感想や気になったところ、印象に残った場面などを話し合いました。
感想
今回のワークショップ、とにかく時間が経つのがあっという間でした!
普段物語や小説を読むときには、どうしてもストーリーラインを追うことに意識がいってしまいます。
だからこそ、今回のワークショップで、ひとつひとつの表現をゆっくり吟味して、まさに物語を「味わい」ながら読めたことがとても満足感がありました。
「これはどういう意味なんだろう」「どういう意図で作者はこのセリフを書いたんだろう」とストーリーを追うだけじゃなく、丁寧に読む時間をとれること、そしてそれを人と共有して意見交換をしたり、一緒に考えたり、「そんな視点もあったのか!」と気づけることってすごく楽しいなと思いました。
1か月経った今でも、まだ記憶に残っている表現があります。
小川は、森のはずれに流れつくまでに、だいぶん大きくなっていましたので、もう川といってもいいくらいでした。(中略)川はゆっくりと流れました。川には、じぶんのゆくさきが、ちゃんとわかっていたからです。そこで、「いそぐことはないよ。いつかは着くさ。」と、こうかんがえていたのです。けれども、森のもっと高いところを流れている小川たちは、見るものがあんなにたくさんあるのに、間にあわなかったらたいへんだと、みんな大急ぎで、いっしょうけんめい、あっちへ流れたり、こっちへ流れたりしました。
この川の表現がすごく好きだなあと思いました。
大きな川の、凪いでいて、ゆったりと流れていく様と、小川の、水しぶきをあげながらキラキラ光って流れていく様子が、頭の中にさっと浮かんできませんか?
冒頭のこの短い記述だけですっとプーさんの世界に引き込まれる感じがして、とても印象的でした。
それから、同じくらい自分の中で印象的だったのは、さっちゃんの「みなさんがここで考えたことはきっともう『ほんとう』なんだと思うんです」という言葉です。
プーさんには原作の児童文学作品があって、それをもとにディズニーのアニメーションがあって、キャラクターグッズや派生作品があって、、、
じゃあ原作だけが『ほんとう』なのかといえば、そうではないと思います。
何がきっかけであれ、プーさんを知って、その世界と少しでも接点をもつことができるなら、どれも『ほんとう』なんじゃないでしょうか。
そして、もちろん文学研究においても先行研究や歴史的背景など、知識の基礎があって解釈や分析が生まれるわけですが、それだけが『ほんとう』なわけではありません。
今日みなさんが感じたり、考えたり、こうじゃないかと想像したことも、プーさんという作品に触れてたしかにそれぞれの中に生まれた感情で、つまり『ほんもの』なんじゃないかと思います。
さっちゃんが最後のクロージングで話してくれた「それぞれが考えたこと、感じたことも『ほんもの』だと思う」という話は、私がいろいろな文学作品や古典を読む背中を押してくれたような気がしました。
私はそんなに読書は頻繁にはしないほうなんですが(文系の院生としてはこれはよくない)、最近はもっとたくさん本を読みたいなと思って、宮沢賢治の作品を読んだり、長年気になっていた蜻蛉日記を読んだりしています。
私は作品に感情移入しつつ、わりと自分と照らし合わせながら読むタイプなので、「これは自分のこの経験と重なるかもしれない」「この気持ち、すごくわかる」「これは今でいうとこういう状況なのかな」とある意味過度に想像力を働かせているようなときもあります。
それはそれで読んでいて楽しいんですが、文学が専門でないからこそ、「これってもしかしたら誤った読み方なのかも」「過度に心情を単純化しすぎてるのでは?」と自分の読み方に自信をなくしてしまうときもあります。
でも、読み手がその作品に触れて、たしかに感じたことはもう『ほんとう』と呼べるんじゃないか、とさっちゃんが言ってくれたことで、「こういう読み方をしていてもいいんだ」と安心感を感じました。
もちろん、文学研究や文学にかかわる研究者の方々がこれまで積み上げてきた、詳細な分析や根拠にもとづいた解釈は尊重されるべきだと思います。
でも、文学研究にかかわらない私が、個人的に作品を楽しむ分にはどんな読み方をしてもいいんだ、と思うことができました。
自分の専門についてだれかに話すということ
ワークショップ自体の感想はここまでなんですが、院生という視点で今回感じたことは、「私も自分の専門についてもっと話したい!興味を持ってもらいたい!」ということです。
最近は「文学部不要論」みたいな話もあったりして、理論言語学という実用とはなかなか結び付かない分野を勉強している身としては、「自分の研究の社会的意義って、いったいなんなんだろう」と思ったりします。
(もちろん実学以外の学問も存在するべきだと思っているし、自身の研究には学問的意義があるとなにより自分自身が信じてはいますが)
でも、まず「それって詳しくはわかんないけど、でもすごくおもしろいね!」と思ってもらえたら、それは一つの社会的な意義として成り立つんじゃないかな、と考えています。
そのために自分の専門のおもしろさを発信できる大学院生になりたい!、、、と思ってはいたものの、日々のタスクに追われ、なんとなく発信することに関しては後回しになっていました。。。(ブログの更新も滞っていた)
でも、今回のワークショップに参加して、「やっぱり、自分の専門について語りたい!そしておもしろいと思ってほしい!」という思いを再認識しました。
別に文学に関する深い知識がなくても、プーさんについてよく知らなくても、ワークショップの参加者たちが楽しそうに感想を述べたり、意見を交換している様子を見て、「学問」と「社会」は実用性という面だけでなく、「おもしろさ」という面でもつながれるんじゃないか、と改めて気づかされました。
文学と言語学は研究の性質的にも異なる部分も多いので、まったく同じように焼き直しをすることはできないかもしれませんが、いろんな分野の院生を集めて、お客さんがそれぞれの専門について院生と話ができる「院生バー」みたいなのできたらいいな~と思ったり。。。
まあこれはすぐに実現するのは難しそうなので、やっぱりブログでもうちょっと言語学のことを発信していきたいですね。
「1教えるためには10知っている必要がある」ともいうので、言語学を語れるようになりたいと思うならやっぱりもっと勉強しないとな、と気を引き締めるきっかけになりました。
ということで最近読んだ言語学系の本(一般書)の紹介を次回はしたいと思います!
あと、そろそろ大学院の合格体験記も書こうと思っています。(どんどん記憶が薄れていっていますが。。。)
それでは~
お茶の水女子大学大学院合格体験記2、外国語編①
こんにちは。
今週木・金と2つの発表をどうにか乗り越えました。もっちーです。
今回は「合格体験記2、外国語編①」ということで外国語試験(フランス語)の勉強をどうしていたのかについて書こうと思います。
私は試験が2/5、2/6とかなり遅かったので(比較社会文化学専攻は一般試験が2月しかない)それを踏まえたうえで読んでください!
外国語編があるということは専門科目編もある(予定)なのですが、専門科目の勉強にちゃんと取り組んだのは秋以降なので、前期は外国語(フランス語)の勉強しかしていません。
試験科目について
まず、比較社会文化学専攻の試験は外国語試験(90分)と専門試験(120分)の2つに分かれています。
配点は100点/100点ですが、外国語は49点未満だと足きりで不合格になります。非情です。
外国語試験は英語、フランス語、ドイツ語、中国語の4つの中から選べますが、英文志望は英語以外の3つから選ばなければなりません。。。
私は大学1年生のときに第2外国語がフランス語だったので、試験はフランス語の試験を受けました。
難易度的には先輩からは「フランス語は準2級程度の力があれば大丈夫」と言われたので、それを目安に単語や問題集に取り組みました。(また後で詳しく説明します)
ドイツ語の難易度の目安についてはあまり聞いたことがないのですが、先輩たちの話を聞いてみると中国語がいちばん簡単だそうです。
大1のときに中国語選択じゃない人でも5・6月くらいから試験前まで勉強すれば余裕で合格できる、と言っていました。
なので思い切っていちから中国語を勉強してみるのもありかもしれません。
ちなみにフランス語の試験は仏文和訳2~3問のみです。(詳しくは過去問を見てもらうとわかりやすいと思います。)
なので基本的に仏文和訳特化で勉強していたため、「書く・話す・聞く」に関しては全くできません!!
本当は全部をまんべんなくやるのが理想なんでしょうが、卒論や教育実習もあり忙しかったのと、やっぱり後半は「落ちたらどうしよう」という不安から+αのところまで取り組む余裕がなくなってきてしまったんですよね。。。
それでは、次からは1年間のフランス語の勉強を振り返っていこうと思います。
学部4年次のフランス語のスペックについて
- 学部1年のときに1年間「基礎フランス語」の授業で初級文法を勉強
- 1年の秋に仏検4級取得
- 2~3年次にはフランス語の勉強0
4月~
- 「発展フランスI」を履修
4年前期には発展フランス語という授業を履修していました。
授業内容としてはフランス語の長文を読んで1文ずつ和訳していく(+Exercise1ページ)をこなしていきました。(使った教材は写真参照)
教材の難易度はそこまで高くないので、単語の意味がわかればわりとイケます笑
実際2年間ブランクがあっても普通についていけました。
授業は聴講でも構わないとは思いますが、聴講の授業は総じて最後のほうには行かなくなってしまうので、前期は履修、後期は聴講(卒論が第一なので!)とかがちょうどよいと思います。
また、単語も文法もあやふやな状態だったので、辞書で意味を調べたり参考書を読んだり、注もバリバリに参照して和訳をしていました。
ここでは「文法事項を思い出すこと」と「フランス語の長文を読むこと」に慣れるのを目標にしていました。
6月~
(このあたりは5月ぐらいに取り組んでいたと思っていたんですが、ノートを見返してみたら6月からでした。5月は授業以外フランス語やってなかったんですかね…??)
- 初級文法の復習
最初に文法の復習に使ったのはこちらです。
「フラ語入門~」は先輩が使っている参考書を借りました。
初級文法の基本的なところが全31チャプターでわかりやすく説明されています。
ただ、こちらは問題数が少ないので実践も兼ねて「練習帳」の方を買いました。
帯の紹介によると、「練習帳」の対象は仏検5~3級とわりと広めです。
「練習帳」は見開き1ページで文法の解説→基礎練習1・2→応用問題となっています。
進め方としては、1チャプターにつき、
「練習帳」を参考に文法事項をルーズリーフにまとめる→「フラ語入門」の該当箇所を読んで必要なら補足→基礎問題1・2
というふうに進めていました。応用問題に取り組んだのは2週目以降です。
この時期はまず「記憶を呼び起こす」ことを目標に6月末までには「練習帳」を1周することを目標にしていました。
「練習帳」は全20チャプターなので1日1チャプターくらいのペースで進めていくとちょうど1か月くらいで終わると思います!
7月~
(なぜなのかは忘れてしまったんですが、7月前半はあまり院試の勉強に取り組めていなくて、第2週くらいから再開してます)
- テスト勉強
7月第4週にはフランス語の授業のテストがあったので、7月はそれにむけての勉強が中心でした。(練習帳はおやすみしてました)
注や辞書を見ないで本文の和訳+Exerciseの正誤問題を2~3週すればテストは大丈夫だと思います。
授業の時は単語の意味とかはあまり覚えようと意識してなかったんですが、テスト勉強を通じてちょっとは覚えられました。
- 単語の勉強
7月の半ばから単語帳を使って勉強していました。使っていた単語帳はこちらです。
この単語帳も先輩から借りました。が最近またフランス語を勉強したいので買おうか検討中です。(余談)
こちらの単語帳は例文形式の単語帳になっています。
4級のパートで例文が100個、3級のパートも例文が100個で、単語数的には700前後だったと思います。
最初はフランス語の単語力が0に等しかったので、ひたすら単語をノートに書いていました。
ですが最終的には
例文をCDで聴く→例文を音読する→単語をノートに書く(1単語1行くらい)
というやり方がいちばんだなと気づいたので、CDは聴いた方がいいと思います。
ペースとしては、7月は1日例文10個、だいたい30~40語ずつやっていました。ちなみに7月は4級の単語しかやってません。(3級に着手したのは10月くらいからだったはず)
単語力0だったので、最初は単語を覚えるというよりも「見たことのある単語を増やす」を目的にしていました。
3周目くらいになると覚えてきた単語も増えてきて、4周目以降は覚えきれていない単語を重点的に取り組むと効率的です。
最初はわからない単語だらけで、4級の単語でも全然わからない状態なのに本当に院試大丈夫なのだろうか…と不安になりますが、コツコツ続ければ大丈夫です!!絶対!!
積み重ねって本当に偉大なもので、単語400個弱覚えるって考えるととてつもなく大変な気がしますが、1日40個ずつやると10日で1周、1か月で3周はできちゃうんですよね。(もちろん計画通りにいかないことも多いので単純計算の話ですが)
余裕をもって見積もっても、3か月後(10月)には6周できてたら相当単語は身についてくると思うので、「無理かも…」という不安に負けず、とにかく目の前のことをやっていきましょう!
8月~
積み重ねの話をした矢先に申し訳ないんですが、8月はあんまり勉強できませんでした。。。
8月後半から教育実習があったり、レポートの締切が8月末までだったりと忙しかったです。
「院試の勉強もやらなきゃいけないのに全然できていない…」と思いつめるとメンタル的にあまりよくないので、8月後半から教育実習がある人は割り切って8月は院試のことはいったん忘れるとかでもいいと思います!
いちおう8月の前半は細々と勉強していたので、それも含めて8月~12月(卒論提出まで)は次回書こうと思います。
それでは~
お茶の水女子大学大学院合格体験記1、はじめに
こんにちは。
4月からお茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科(博士前期課程)比較社会文化学専攻英語圏・仏語圏言語文化コース英語圏専修(長い)1年生になります、もっちーと申します。
ちなみに今年は英語圏専修(以下英文)所属の1年生は2人しかいないので、先生方や研究室の人に見られたらほぼ身バレ確定ブログです。
このブログでは大学院でどんなことをしているのか、研究活動を通じてどんなことを考えているのか、といったことをゆるく発信していけたらいいなと思っています。
文章に落とし込むのは私にとって、かなりエネルギーがいる作業なので、なかなか更新しない未来も見えますがよろしくお願いします。
早速タイトルにあるように、まず最初は自分の大学院受験のときの勉強法や使った教材を紹介する「合格体験記」を書こうと思います。
大学進学率が高い高校とかだと、大学に合格した先輩のおすすめの勉強法や受験期の過ごし方を紹介する冊子が配られることも多いんじゃないでしょうか。
ただ、大学受験についてはかなり情報を得やすいですが、大学院の文系分野で、しかもお茶大のように小さな大学の大学院だとなかなか情報も手に入りにくいんじゃないかな、と思い書いてみることにしました。
とはいえ、書ける内容は自分のコースのことだけになってしまうので、その点はご容赦ください。
今回の「はじめに」では具体的な勉強法というよりも、なぜ大学院進学をしたのかや私自身のバックグラウンドについて触れようと思います。(なのですでに進学を決めている人や勉強法を知りたい人は読まなくても大丈夫です。)
研究分野と学部のときの話
私が研究している分野は言語学、さらに細かく言うと生成文法理論をベースとした子どもの言語習得です。
専門についての話はまた別に記事を書くつもりですが、簡単に言うと「人間は生まれつき言葉を話せるような仕組みを持っており、その仕組みの一つとして、すべての人間は共通の文法知識を生得的に持っている」という立場に立って研究をしています。
特に、子どもの言語習得では実験をしたり調査をすることもあるので、文系でありつつ1/3くらいは理系だと勝手に思っています。
基礎研究的な学問の性質上、学部2~3年生では基礎知識のインプットが中心となり、4年生の卒論でようやく自分のテーマに基づいて研究らしきもの(アウトプット)が始まりました。
私は学部の所属もお茶の水女子大学(文教育学部言語文化学科)だったので、お茶大のカリキュラムに沿っていくと、
1年→学部共通科目、教養科目中心
2年→コース決定、講義形式のインプット中心
3年前期→演習科目中心(とはいえ論文を読んでそれについてレポートするのが中心なので、自分自身で実験案やテーマ案を出したりディスカッションする機会はほぼなし)
3年後期→ミニ卒論(10ページくらい)を書く段階で卒論のテーマについてざっくり検討
4年→卒論
といった感じでした。
なぜ「子どもの言語習得」に興味を持ったのか。
これについては、そもそも「なぜ英文コース(学部の方)にしたのか」というところまでさかのぼります。
高校時代はわりと5教科オールマイティ人間だったので、苦手な科目もあまりない分、特別秀でている科目もありませんでした。
ただ、なんとなく「英語が好きかも?」という思いがあり、大学では英語を勉強しようかな~と本当に今考えるとなんとな~く考えていました。
英語が好きかも、と思ったのは、一見他言語で書かれていて何を言っているのかわからない文章も、ちゃんと読むことができれば共感したり、理解したり、そこから学んだりできるのがおもしろいし楽しい!と思っていたからです。
そんななんとなくな気持ちでお茶大の英文コースに行こうと決めました。
ただ、入学してから気がついたのは、自分はそこまで英語を使うことに対して積極的でないなということです。
別に嫌いではないけれど、短期でも留学したいという思いもないし、国際交流にもあまり興味はないし、ESSに入ろうというほどでもないし…。
「話せたらいいな」とは思うけれど、特別行動に移すほどの熱量ではありませんでした。
ただ、英文コースで言語学の授業を受けたときには「なにこれおもしろい!」とわくわくしました。
思い返してみれば、高校のときの英語の授業で先生が話してくれたリンキング(隣り合う英単語どうしの発音がくっついて別の音になること)の話は今でも覚えていて、私の「英語が好き」は英語という「言語」に興味を持っていたのかもしれません。
そういった経緯で語学のコースに進むことを決め、そのなかでさて卒論は何で書こうか、と考えていたのが3年の後期だったように思います。
お茶大の英文コースでは語学は形態論・統語論(語、文の構造)、意味論・語用論(文や会話の含意や言外の意味)、言語習得(子どもの第一言語習得)、英語教育に分かれているのですが、統語論か言語習得かで迷っていました。
ただ、言語習得では実際に実験をして、統語論や意味論に基づいた仮説を証明できるのが個人的には魅力的でした。
統語論はある仮説があったとして、それを支える根拠となる文の文法性や許容度は基本的には論文の著者やその周囲の人間の主観にゆだねられます。
一方、言語習得では、同じ仮説があったとしても、それが子どもの発話というより客観性の高いデータによって裏打ちされるので、そこがとてもおもしろいなと思いました。
ということで、私は言語習得で卒論を書こうと決めました。
なぜ大学院に進学するのか。
この問いに対する答えは、端的に言ってしまえば「もう少し勉強してみたかったから」です。
学部の話で書いたように、基礎知識のインプットをもとに、自分の考えを組み立てる段階はほぼ卒論だけでした。
最初は就活も少しだけしていましたが、自分で論理や考えを組み立てるのっておもしろいかも、、、?と思い始めた矢先に就職してしまうのは、少しもったいない気がしていました。
そんなときに指導教員の先生から大学院を進められ、就活をしていてもなんだかしっくりこず、むしろ待ち時間には論文を読んでいた方が心が落ち着くくらいで、という状況も重なり、大学院に進学することを決めました。
だから、「もうちょっと勉強したいな~」という気持ちで進学した私は、もしかするとほかの大学院生に比べ、知識も、専門分野に関わっている年月も、研究への情熱も、まだまだな部分だらけかもしれません。
(院生というと自分の専門分野に対して並々ならぬ知識と愛情と熱意があって進学しているイメージがあるので笑)
でも、2年間という短い時間のなかで、悔いの残らないような研究生活を送りたいと思っています。
「悔いが残らないよう」と言いつつも、どんなことをしたいか、何をゴールに据えるのか、実はまだまだぼんやりとしかしていません。
なので、悔いが残らないためには何をすればいいのか、どこを目指していくのか、は研究生活を走りながら考えたいと思います。笑
最後に卒業するときに自信を持って、このブログを読み返せるといいな~